SONAR X2 トラックにディレイをかけるには?
昨年(2017年)11月、2013年にローランドからタスカムに譲渡されたSONARが、とうとう生産終了になってしまいましたね。
とても残念です。
X3の次のバージョンからは、サブスクリプション制(オンライン上のソフトを月額課金で使える制度)になっていて、それが販売不振の原因になってしまったのかもしれません。
でも、X3までの製品を購入した人には関係なく、メーカーサポートは受けられませんが、パソコンが使える限りインストールしたソフトも使えるので、ぜひSONARを使ってあげてください。
そこで、個人的にこれがわかりにく過ぎて、音楽制作が好きな人たちのSONAR離れの原因になったのではないかとこっそり思っている、ディレイについて記事を書いてみます。
ずっと書きたかったのですが、遅くなってしまいました。
まず、ディレイ(delay)ですが、これはオーディオのエフェクター(FX)です。音を遅らせて鳴らすことができます。
とてもよく使われる代表的なエフェクトで、ギターやエレクトリックピアノなどのクリーンな音にかけると、とても雰囲気が出ます。
SONARで使うには、トラックビューからディレイをかけたいトラックを選んで、FXの枠を出します。
次に、そのFX枠で右クリックして、Sonitus:fx から Delay を選択します。
(Sonitus というはSONARに備わっている、基本的なエフェクトのセットのようなもののようです)
さて、この Sonitus のディレイですが、これがとてもわかりにくいのです。
基本的で単純なエフェクトなので、仕方ないのかもしれませんが、もっとUIを工夫すればSONARも生き残れたのに、と思ってしまうほどです。
まず、ディレイを開くと、テンポで音を遅らせる設定になっています。
そのテンポは Factor で決めます。8~1/32 までで選択できますが、重要なのは、1 が8分音符だということです。
つまり、このFactorを1のままにしておくと、8分音符遅れで同じ音が鳴るということです。
ギターやエレピの音を美しく遅らせた音は、4分音符以上のゆっくりした遅れであることも多いです。その場合、SONARでは、4分音符は2、2分音符は4、を選ばなければならないということなのです。
逆に、16分音符で遅らせたい場合は、1/2を選択するということですね。
今まで、Factorを1/8にしていたのに、8分音符遅れにならずディレイがかかったように聞こえない・・・という問題を抱えていた人もたくさんいたような気がします。
1が8分音符ですから、1/8では64分音符分しか音が遅れないので、あまりディレイがかかっているように聞こえないのです。
ほかのソフトでは1/8といえば8分音符なのではないでしょうか?
ここがSONAR独特のわかりにくいところです。
それから、テンポにきっかり合わせるのではなく、設定したテンポから少しずらした時間で遅らせる時間を決めたいという場合は、ディレイ画面の下にある、Tempo sync というところを2回ほどクリックしてOffにします。
すると、Factor の横にある、Delay time という枠の部分が明るくなって、時間をms(ミリセカンドなので、1000分の1秒)単位で選択できるようになります。
例えば、500msだと、Factorで設定したテンポから、0.5秒遅れで音が鳴るように設定できるということです。
また、Feedbackはディレイ音を繰り返す量の割合を決めます。(100%にすると永遠に繰り返されます)
Crossfeedは左右に音を振る場合の音の割合を決めます。
Mixは原音とディレイ音の割合(0%だとディレイ音は聞こえません。逆に100%にすると原音が消えてディレイ音だけになります)を決めることができます。
以上が、SONARのディレイの初心者向けの説明です。
Factor1が8分音符だというところがポイントです。
それさえ踏まえていれば、ディレイを使うことは簡単になります。
ぜひ Sonitus のディレイを使いこなしてみてください。