SONAR X2 アナログソフトシンセの基本操作(後編)
それでは、引き続き、PSYN Ⅱを使って音を作っていきます。
①OSC(オシレーター)と②FLT(フィルター)が設定できたら、次は、③AMP(アンプ・エンベロープ)の設定です。
PSYN ⅡのAMPを設定するには、EGというセクションをONにして、その中のAというボタンを点灯させます。
これが、PSYN ⅡにおけるAMP(アンプ・エンベロープ)になります。
EGというのは、エンベロープ・ジェネレーターの意味です。
エンベロープというのは「時間的変化」の意味です。
アンプ・エンベロープは「音の大きさ」の設定ということでしたが、もっと詳しく言えば「音量の時間的変化」を設定するということなのです。
アンプ・エンベロープの設定の基本は、下の5つです。
1)ATK(アタック)
2)DECAY(ディケイ)
3)SUS(サステイン)
4)REL(リリース)
5)AMNT(アマウント)
PSYN Ⅱでは、ちょっと小さくて見にくいですが、真ん中へんのつまみの部分にあります。
では、それぞれの設定について説明してみます。
まず、ピアノの鍵盤を押して音が出るところをイメージしてください。
1)鍵盤を押してから、音がピークに達するまでの時間、これがアタックです。
ピアノの音も鍵盤を押してから、音が最大になるまで、ほんの少し間があります。
アタックはこの部分を設定します。
マウスでつまみを動かしてみてください。
「EGA Attack : 417.1ms」といった数値が現れると思います。
アタックの場合、単位はミリセカンド、1/1000秒です。
つまり、417.1msに設定すると、MIDI鍵盤を押してから、0.4171秒後に音がピークになります。
0に設定すればすぐに音が出ますし、アタックを大きくすればほわーっと音が鳴ります。
2)鍵盤を押している間、ピアノの音はピークを越えて、少しずつ小さくなっていきます。
この速さを設定するのが、ディケイです。
鍵盤を押し続けている間に、音がピークから0になるまでの時間を設定します。
ディケイの単位も、ミリセカンド、1/1000秒です。
ただし、ふつうは、鍵盤を離す、もしくは、サステインペダルを踏むまでの時間のほうが早いので、鍵盤を押している間に音が消えてしまうことはあまりありません。
3)次は、ピアノでサステインペダル(音を伸ばすペダル)を足で押さえるところをイメージしてください。
ピアノは鍵盤を押して音が鳴ったあと、その音を伸ばすときにペダルを押さえます。
このようにペダルを押している時に音が伸びている、その間の音量を設定するのが、サステインです。
PSYN Ⅱの場合、サステインの単位は、パーセント(%)です。
ここで設定した音量が鍵盤を押し続けている間、維持されます。
ディケイで設定した時間が過ぎる間に、音量がサステインで設定したレベルに達すると、あとは鍵盤を離すまで、同じ音量で音が鳴り続けることになります。
もちろん、0に設定すれば、ペダルを踏むことなく、ディケイで設定した時間をかけて音が消えていく設定になります。
4)それから、ピアノで鍵盤を離したときのことをイメージしてください。
鍵盤を離しても、すぐに音が消えるわけではなくて、少しずつ音が消えていくはずです。
この部分を設定するのが、リリースです。
鍵盤を離してから、音が0になるまでの時間を設定します。
リリースの単位は、ミリセカンド、1/1000秒です。
5)ここまでで音の設定は終わりですが、あとは、全体のボリュームを設定します。
これが、アマウントです。
音量をここで調整することができます。
単位は、パーセンテージ(%)です。
さて、これで、アナログソフトシンセの基本操作は完了です。
MIDI鍵盤で音を鳴らしてみてください。
思ったような音が鳴りましたか?
・・・どんな波形の音を、どのくらいのピッチで鳴らし、どんな音色で、鍵盤を押したときに、どんなふうに音が出るか、・・・このすべてを設定できたことになります。
もちろん、もっといろんな設定がほかにもあるのですが、ここまでできれば、どんなアナログシンセをいじっても、一応、求める音を出すことができるようになったはずです。
長くなってしまいましたが、読んだ方はついてこれたでしょうか?
シンセサイザーについてはいろいろな解説本も出ているので、興味がある人は読んでみてください。
基本がわかっていれば、そういった本もとっかかりやすくなっていると思います。
SONARは、アナログソフトシンセの良いものが入っているというのも魅力の一つなので、ぜひ、アナログソフトシンセもいじってみてください。