SONAR X2 D-Pro の使い方(初級編)
今日は、前回の記事の続きで、D-pro について説明していきます。
D-pro は、プリセットの楽器が豊富で、プリセットの音もたくさんあるので、使えるシンセです。
Raptureもいいのですが、Raptureは楽器が少なめなので、D-proのプリセットの多さはとてもありがたいです。
D-pro の基本的な使い方は、簡単です。
パネルのいちばん上の枠の部分をクリックすれば、プリセットを選ぶためのブラウザが現れるので、そこから好きな楽器のフォルダを開いて、選んだプリセットをダブルクリックするだけです。
さらに、このプリセット音を調整するために、いろいろな機能があります。
これらの使い方を順番に見ていきたいと思います。
(このブログの前々回の記事、「アナログソフトシンセの基本操作(前編・後編)」を参照してください。)
まず、1.エレメントセクション。
Eというのは、エレメントの意味です。
これは、アナログシンセサイザーでいう、オシレーター部分、波形とピッチ選びの部分です。
①波形を変える場合は、サンプル波形の名前の部分をクリックします。
Guitarプリセットの「Almost together」の場合、E1で使われているサンプル波形は、「fender strat 1s」です。
つまり、フェンダーのストラトキャスター(有名なギターの名前です)で録音したサンプルが使われています。
この部分をクリックすると、別のサンプルを選ぶことができます。
サンプル波形のギターフォルダには、ギブソンやマーチンなど、他のギターの音も用意されているので、他のギターの波形に変えてしまうこともできます。
また、E1だけでなく、E2やE3も同時に使って、音を複雑にすることもできます。
(「Almost together」の場合、E2で「martin 6 steel」が使われています。)
②ピッチを変えたい場合は、Transpose (半音上下)か Tune (オクターブ上下)のところをクリックして、マウスホイールを動かして数字を変えます。
次は、2.フィルターセクションです。
フィルターの説明は、アナログソフトシンセの基本操作の記事で書きましたが、例えば、プリセットの音の低い音を強調したいときはLP、高い音を強調したいときはHPを設定します。
LP1pなど、フィルターのあとについている数字は、大きくなるほど、くっきりと音をカットします。
LP1pよりも、LP6pのほうが、CUTOFFの周波数からくっきりカットされて、切れ味がよい音になります。
左隣にある、LoFIというのは、音の質をわざと下げた感じにしたいときに使います。
例えば、古いラジオを通したような音にしたいときなどです。(ただ、実際なかなか、そういった音にするのはむずかしいのですが。)
右隣のDRIVEは、ギターのディストーションようなひずみを作ります。
最後に、3.モジュレーターのセクション。
いちばん基本的なのは、AMPのモジュレーターです。
これは、アナログシンセサイザーのアンプ・エンベロープと同じです。
1)ATK(アタック)
2)DECAY(ディケイ)
3)SUS(サステイン)
4)REL(リリース)
アンプ・エンベロープの基本はこの4つですが、右クリックで、ポイントを作ることによって、この4つをそのまま、図にして調整できます。
上の図のようなプリセットの場合、アタック0ですぐ音が出て、その後消えていく設定です。
ですが、これを例えば下の図のように、アタックが0.05秒あって、そのピークが過ぎた後にサステインがあるような音に設定しなおすことができます。
また、プリセットのピアノ音などはリリースが短く、音がそれほど伸びないのですが、数秒かけて音が消えていくような、シンセサイザー独特の設定に変えることもできます。
その場合は、モジュレーターの画面が足りないので、画面の上のあたりでクリックして、ズームアウトしてください。
すると、画面の時間幅が広がるので、そこで、リリースを設定すれば、長いリリースのある音に調整することができます。
ちょっと大げさですが、上の図から、さらにリリースが3秒ある設定にすると、こうなります。
・・・長くなりましたが、以上が簡単な D-pro の使い方、プリセット音の調整の仕方です。
アナログソフトシンセと同じように、音の波形、ピッチ、音色、それから、鍵盤を押したときにどう音が鳴るか、これらすべてが設定できるようになりました。
もちろん、他にも設定できる部分はいろいろありますが、まずはこのへんができれば、かなり自分の求める音が実現できるのではないかと思います。
あと残りの、イコライザーやFXの部分は、それほどむずかしくないので、こちらも使ってみてください。
こんなふうに、プリセットの音が自分好みに調整できると、シンセサイザーを使う楽しみが広がりますよね。
ぜひ、プリセット音をそのまま使うだけではなくて、自分の出したい音を追求してみてください。