SONAR X2 初心者向けブログ

SONAR X2 PRODUCER を使ってみて、つまづいた点とその解決方法をアップしていきます

SONAR X2 Rapture の使い方(初級編)

今日は、Rapture の使い方をみてみます。

D-pro がわりと、楽器を忠実に再現するようなプリセットが多いのに比べると、Rapture はいかにもシンセ、といったプリセットが多いです。

そのぶん、エレクトロ系やダンス系には使えるプリセットが多かったり、音に迫力があって、Rapture もとても魅力的なシンセです。

 

今までの記事で、だいたいシンセの簡単な使い方を説明できたと思うので、今日はさらに具体的なプリセットの調整について書いてみます。

とくに、Rapture のプリセットはユニークな音が多いので、プリセットの音をそのまま使いたいという場合は少ないかもしれません。

例えば、エレクトロ系の曲には定番のパッド音などは、曲の後ろのほうでコードを支えるようなパートなので、あまり自己主張しすぎず、それでいて曲に合うものを使いたいところです。

そこで例として、Rapture のパッドのプリセットのいちばん上にある、「Acid」を調整してみたいと思います。

Rpatureは、フィルター部分がわかりにくいので、主にその部分について書いてみようと思います。

 

まず、「Acid」プリセットを呼び出します。

f:id:parov:20131025213130p:plain

この音をMIDI鍵盤で鳴らしてみると、低音がゴリゴリしていて、さらに、高音がけっこう効いていてきらびやかです。

さらに、ディレイがかかって音が左右に振れます。

・・・さて、このプリセットをもう少し控え目で、より使えるパッドに調整したいと思います。

 

エレメントを確認してみると、E1からE4まで、4つの波形が使われています。

そのうちのE2で、Ping Delay が使われています。

これが、左右に振れて残るディレイの正体なので、これをはずしてOFFにします。

こうすると、ディレイが消えます。

f:id:parov:20131025214336p:plain

 

次に、ゴリゴリした音をもう少しまろやかに変えます。

E1とE2の低い音が、ゴリゴリしているので、波形を変えます。

square octaved 1 という波形を両方とも sine に変えてしまいます。

f:id:parov:20131026135221p:plain

 

こうすると、E1とE2は丸いサイン波になって、残りが硬いスクエア波のままなので、少し、ゴリゴリ感が和らいだ音になります。

 

さらに、パッド音として使うには低音と高音が効きすぎているので、それを弱めます。

こういう場合は、フィルター部分を調整します。

Rapture のフィルターセクションは、DSPという名前になっています。

フィルターとドライブとLoFiがセットになっているセクションで、それらを好きな順序で繋げられるようになっています。

下の図は、E4のDSP部分です。

ややこしいので、色分けすると、こうなります。

f:id:parov:20131026140447p:plain

 

DSPセクションの下部のつまみは、こんなふうに、F1、DSP1、DSP2、DSP3、F2の順に並んでいます。(Fはフィルターの意味です。)

つまり、Rapture のDSPセクションでは、二つフィルターを使うことができて、さらにエフェクトを三つ使うことができるのです。

上部の、「02. F1 -> DSP1 -> DSP2-> DSP3 ->F2」というのは、フィルターを繋いだ順序なので、これを別の番号にすれば、別の繋ぎ方ができます。

また、すべてのフィルターやDSPを使う必要はありません。

 

さて、E4は高い音を出しています。

DSP部分を見ると、F1でHPが使われていて、CUTOFFが3621Hzと高めに設定されています。

この場合、3621Hzよりも高めの音域しか出ないようになっているので、高音が強調されています。

これを和らげるために、CUTOFFのつまみを下げます。

さらに、DSP1とDSP3で、BitRed とAsym というエフェクトが使われています。

BitRedは、ビットリダクションの意味でLoFi機能です。

Asymはディストーションです。

どちらも今回は必要のないエフェクトなのでOFFにして、F2でLP1を使って低音を通します。

f:id:parov:20131026190704p:plain

 

それから、まだ高音でクセのある音が出ています。

これは、E2とE3のF1で、クセをつける「レゾナンス(RESO)」のつまみが上がっているからです。

レゾナンスは、CUTOFFの周波数帯の音量を上げる機能で、一般的にもよく使われるものです。

これはこれで面白い機能で、いかにもシンセといった味付けができるのですが、今回はとりあえず、これらを下げて0にします。

f:id:parov:20131026191220p:plain

 

さて、以上の操作で、プリセットの音がだいぶ変わって、より使いやすい音になりました。

これをもっと、例えばブラス系の音にしたければ、ぞれぞれのエレメントのピッチを上げて、さらにアンプ・エンベロープでアタックとリリースを長めに作るといいと思います。

(アンプ・エンベロープの操作は、前回の記事の「D-Pro の使い方」とほぼ同じなので参照してください。)

あるいは、シンセベース系の音にしたければ、E3やE4のピッチを下げるといいと思います。

 

・・・というわけで、今日もちょっと長い記事になってしまったのですが、以上が簡単な Rapture の使い方でした。

今回の記事で説明したいろいろな機能を逆に使っていって、他のプリセットの音を変えていくこともできると思うので挑戦してみてください。

D-pro とちがって、Rapture は調整が必要なプリセットが多いと思います。

わたしもまだまだなのですが、読んでくれている人も、Raptureを使って理想の音を作ってみてください。